共同獣医学科

6年課程/定員30名

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学科概要

東京農工大学と連携。高度獣医療を実践するために広範な知識と技術を教育

平成24年度より東京農工大学と共同獣医学科を設置し、基礎、病態、応用、伴侶動物および産業動物臨床獣医学の5分野体制による広範な知識と技術を体系的に教育します。東京農工大学農学部共同獣医学科と大学間共同教育システムの活用による国際基準の教育およびグローバルに活躍できる獣医師の育成を行うとともに、東北地方という畜産拠点に存在する大学として食の安全確保に寄与する産業動物臨床及び家畜衛生・公衆衛生獣医師の育成、そして人と動物の健康と福祉に貢献する伴侶動物獣医師の育成を行います。

学びの特色

岩手大学と東京農工大学のさまざまな専門知識を持った教員が協力して教育を行うことで伴侶動物臨床、産業動物臨床、動物衛生分野および野生動物の保全など、獣医師の幅広い職域、活躍の場に対応した深い知識をもった獣医師を育成しています。

附属動物病院での臨床実習のほか、産業動物獣医師による往診・検診の同⾏実習、家畜衛生分野および公衆衛生分野での実習など、実際の獣医師の職場と連携し「⽣きた教育」を実践。即戦⼒となり得る技術・態度を⾝につけた獣医師を育成します。

獣医師の職域は多岐にわたっており、必要とされる技術・知識が異なってきますが、将来に希望する進路に合わせて専門性を持った研究室に所属し、診療活動や研究活動に参加することで、将来に向けてより高度な技術・知識を身につけることが出来ます。

カリキュラム

多様化する獣医師の職務を遂行する上で必要な知識・技能に加え、専門分野・職域別に求められる実践的な知識・技能を習得するカリキュラム(教育課程)を実施。日本および世界における共通課題を解決する能力を持った「社会に貢献する獣医師」の養成を目指します。

※2025年度(令和7年度)入学生用(予定)

科目群紹介

「科目群」とは、科目同士の学問的結びつきを表すグループのこと。本学部・学科では「専門教育科目」として「基盤獣医学科目(3科目群)」「実証獣医学科目(2科目群)」を構成。「獣医学モデル・コア・カリキュラム」を網羅することに加え、各担当教員の専門分野を生かした講義・実習を主要授業科目として配置しています。

卒業研究テーマ例

※2023年度(令和5年度)~2024年度(令和6年度)の研究テーマです。

  • ネコ多発性嚢胞腎の病期進行速度に関連する候補遺伝子のスクリーニング
  • 僧帽弁疾患犬およびモデル犬における造影超音波検査を用いた腎灌流の評価
  • 牛ウイルス性下痢DNAワクチンにおけるCD40Lのアジュバント効果
  • 自動搾乳システム導入農場における分娩前後の亜急性第一胃アシドーシスと泌乳量の関係
  • コンパニオンバードの肝疾患に関する免疫組織化学的解析
  • 雄マウスの行動におけるプロスタグランジンF2α/FP受容体シグナルの機能解析

進路・資格

本学部・学科では、獣医師国家試験受験資格のほか、食品衛生管理者(任用資格)、環境衛生監視員(任用資格)、飼料製造管理者などの資格取得が可能です。卒業後の進路は民間企業(独立行政法人家畜改良センター、動物病院などの)が最も多く、次に公務員(省庁、県庁、自治体などの農林水産分野、公衆衛生分野)と続きます。

想定される進路

臨床獣医師

家畜衛生獣医師

公衆衛生獣医師

民間企業獣医師

大学院進学

取得可能な資格等

獣医師(受験資格)、食品衛生管理者(任用資格)、食品衛生監視員(任用資格)、環境衛生監視員(任用資格)、飼料製造管理者(任用資格)

2018年度~2023年度(令和元年度~令和5年度)卒業生の進路実績

進学岩手大学大学院
公務員農林水産省、岩手県、東京都、北海道、宮城県、山形県、福島県、神奈川県、千葉県、埼玉県、栃木県、群馬県、愛知県、京都府、札幌市、前橋市、浜松市、四日市市
産業動物臨床岩手県農業共済組合、北海道農業共済組合連合会、福島県農業共済組合連合会、山形県農業共済組合、全国農業協同組合連合会
伴侶動物臨床全国各地の動物病院
製薬関連企業キッセイ薬品工業株式会社、大塚製薬株式会社、小野薬品工業株式会社、株式会社新日本科学
畜産関連団体・企業独立行政法人家畜改良センター、(一社)家畜改良事業団、(地独)北海道立総合研究機構、森永乳業株式会社
競走馬関連団体地方競馬全国協会、社台ファーム、株式会社ノースヒルズ

地域連携・交流

民間企業や施設、自治体、研究機関等との連携や交流を通じて、「畜産県・岩手」のフィールドを活かした特色ある研究の推進や支援、学術研究の基盤強化を図ります。また、本学部・学科の教育研究の成果や知的資産を地域へ普及・還元することを通じて、地域に貢献しています。

盛岡市動物公園「ZOOMO」

市民の憩いの場としてはもちろん、「動物福祉」をコンセプトに掲げ、社会教育、生物多様性保全の拠点としての役割も担う「ZOOMO」。岩手大学獣医学部では、ZOOMOで活動する獣医師を講師に招き、「野生動物学」や「人と動物関係学」などの講義を行っています。一方、獣医学部としても、教育・研究活動の一環として、ZOOMOの疾病動物の診療や、病理組織検査・病性鑑定などの提供を行っています。

独立行政法人家畜改良センター 岩手牧場

家畜改良センターは「日本の畜産の発展と国民の豊かな食生活に貢献すること」を使命とし、家畜の改良増殖、資料作物種苗の生産・供給や検査に関わる業務などを行う機関。岩手牧場は主に乳用牛の育種改良に取り組んでいます。岩手大学獣医学部では、岩手牧場の協力のもと、同牧場内で「大動物臨床実習」での牛の身体検査、「繁殖機能制御学実習」での牛の発情行動の観察や繁殖機能検査などを行っています。

先輩獣医師からのメッセージ