学部長メッセージ
岩手大学獣医学部は、我が国初の高等農林学校として1902年に創立された盛岡高等農林学校をルーツに持ち、120年を超える歴史と伝統を誇ります。当時の校旗に映える赤の帯は獣医学科を示しますが、2025年春に紫をイメージカラーとする獣医学部となり、新たな歴史を刻むことになりました。
現在の我が国は、獣医師の職域の偏りが顕在化しており、地方における産業動物や公衆衛生に関わる獣医師の不足が深刻な社会問題となっています。食の安全・安心や動物福祉に対する国民の意識の高まりを受け、獣医師には、高度な専門知識と倫理観に基づいた実践力が求められています。
岩手大学獣医学部は、こうした社会の要請に応え、東京農工大学と連携して地域性や両大学の強みを活かした教育研究を行い、地域に根ざした国際的な獣医師を育成します。特に、東北地方の産業動物や伴侶動物の診療実習を充実させ、地域社会のニーズに密着した獣医療教育を展開することで、地域社会の発展に貢献できる国際通用性のある獣医師を育成します。

岩手大学獣医学部長 佐藤 洋
学部の概要
地域の要請に応えるために国際通用性のある獣医学教育を実現



高品質な獣医療サービスを提供するために必要な獣医学生が卒業時に身につけるべき
最低限の資質(Day One Competency)をバランス良く習得
地域の要請に応えることが可能な国際通用性のある獣医学教育を実現
養成する人材像
- 高品質な獣医療サービスを提供するために必要な獣医学生が卒業時に身につけるべき最低限の資質(Day One Competency)をバランス良く習得
- 地球規模での感染症対策や畜産物の安全確保等に対して貢献できる知識を修得し、意欲を有する人
- 高度な専門知識に基づいて修得した獣医学領域で必要な技能を実践でき、論理性と倫理性を兼ね備えた行動規範を身につけた人
アドミッション・ポリシー
獣医学部は、獣医師は人類と動物の健康と福祉に貢献するという理念に基づき、高度獣医療の提供、人類の健康と食の安全、生命科学研究の発展に活躍できる国際的な視野を持つ人材を育成します。
- 獣医学を学ぶに相応しい基礎学力を有する人
- 動物の生命現象と病態に関する課題を探求し、グローバルな視野から論理的に解決する思考力を有する人
- 動物の生命現象と病態に関心を持ち、それを継続して探求しようとする意欲のある人
- 自己を啓発し実行力に優れ、獣医学の発展ならびに社会に貢献しようとする意欲のある人
- 獣医師として、国際的な交流・協力を推進し、世界に学び世界に貢献しようとする意欲のある人
地域枠入試では、上記の入学者に求める資質に加え、卒業後に産業動物臨床獣医師、都道府県の家畜衛生獣医師・公衆衛生獣医師に就業する明確な意思を持ち、地域社会の発展に貢献する意欲のある人を求めます。
沿革
岩手大学獣医学部の歴史は、我が国初の高等農林学校として1902年に創立された盛岡高等農林学校獣医学科から始まりました。2025年春、岩手大学農学部共同獣医学科を改組し獣医学部を設置。新たな歴史を刻んでいきます。